音楽サークルSEA SPARROWS東京

タワー・オブパワー~音楽サークルSEA SPARROWS東京

タワー・オブパワー

その圧倒的なホーン・アンサンブルとファンキーなリズムで、ホーン入りグループのひとつのスタイルを作り上げたタワー・オブ・パワー。彼らに影響を受けたミュージシャンは数多く、その作品は今でもホーン・アンサンブルのバイブルとして親しまれ続けている。タワー・オブ・パワー(以下TOP)は1968年ごろ、ギリシャ人とメキシコ人のハーフであるエミリオ。ミミ・カスティーヨ(sax)がクラシックのオーボエ奏者だったスティーヴ・クプカと出会い、サンフランシスコのベッド・タウンであるベイ・エリア、オークランドで結成された。R&Bが大好きだった少年達同じくベイ・エリアから登場したスライ&ザ・ファミリー・ストーンの影響を受けて結成したのがTOPだったというわけだ。結成当時はトランペット2人にサックス3人、ギター、ベース、ドラム、ヴォーカルという編成で、メンバー・チェンジを繰り返しながらベイ・エリアで活動していた彼らは、そのホーン・アンサンブルを前面に出したサウンドで人気を得、70年にはロックの殿堂、フィルモアに出演する。そこでフィルモアのオーナー、ビル・グラハムに見い出され、同年ビルのレーベルであるサンフランシスコ・レーベルから『イーストベイ・グリース』でデビューする。この作品はローカル・ヒットに留まったこれがきっかけとなってワーナー・ブラザーズと契約し、72年に『バンプ・シティ』をリリース。シングル・カットされた「ヤング・マン」が全米29位のヒットとなり一躍注目を集めた。その後彼らは大幅なメンバー・チェンジを行い、ミミ(sax)、クプカ(sax)、レニー・ウィリアムズ(vo)、グレッグ・アダムズ(tp)、ミック・ジレット(tp)、レニー・ピケット(sax)、フランシス。ロッゴ・プレスティア(b)、ブルース・コンテ(g)、デヴィッド・ガリバルディ(ds)、チェスタ-・トンプソン(key)という最強の10人組となり、『タワー・オブ・パワー』(73年)、『バック・トウ・オークランド』(74年)という2枚の傑作を発表し、押しも押されぬスーパー・グループになっていった。だがその後も彼らはメンバー・チェンジを繰り返し、そのたびにパワー・ダウンしてしまい、70年代後半からはほとんど活動していないような状態だった。しかし昔からTOPのファンだったヒューイ・ルイスが彼らに手をさしのべ、彼のアルノ・心ムやツアーにTOPをホーン・セクションとして起用。これで生き返っだ。Pは、再びメンバーを強化し、見事に復活。92年の来日公演でも、その健在ぶりを見せてくれた。屈強のホーン・セクションを中心に今もバンド活動を継続中の彼らだが、全盛期は間違いなく本盤を出した70年代半ばだ。メンバー全員一丸となって16ビートのシンコペーションをキメる瞬間のスリルは、もう最高。鋭く切れ込むファンク・モンスと一糸乱れぬホーン・アンサンブル。サンフランシスコの夜景を思わせるバラードも秀逸。
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